経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)後の非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(NOAC):ネットワーク・メタアナリシス
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
4試験(4,808例)の解析で、抗凝固適応のないTAVI患者では、リバーロキサバン(およびアピキサバンの可能性)で全死亡が増加し、リバーロキサバンで大出血が増加した。抗凝固適応のある患者では、アピキサバンはVKAと同等だが、エドキサバンは主要出血が増加した。NOAC間の優越性は示されなかった。
主要発見
- 抗凝固適応なし:リバーロキサバンは全死亡(RR 1.67)と大出血(RR 1.98)を増加、アピキサバンも全死亡増加の可能性(RR 1.71)。
- 抗凝固適応あり:アピキサバンはVKAと同等、エドキサバンは主要出血増加(RR 1.44)。
- NOACの優越性は示されず、エビデンス確実性は低~中程度が中心。
臨床的意義
TAVI後:①抗凝固適応なしでは、リバーロキサバンやアピキサバンより抗血小板療法が望ましい。②抗凝固適応ありでは、アピキサバンはVKAと同等だが、エドキサバンは主要出血が増加するためVKAまたはアピキサバンを優先。出血リスクに応じて個別化。
なぜ重要か
実臨床でばらつきの大きいTAVI後抗血栓療法に対し、高品質な統合エビデンスを提供し意思決定を支援する。
限界
- 盲検性に関するバイアスリスクが高い、ダビガトランのデータ欠如
- 対象集団・追跡期間(6–18か月)の異質性、試験数が少ない
今後の方向性
適応別層でのNOAC直接比較RCT、長期転帰(弁血栓、無症候性弁尖血栓)や患者志向アウトカムの評価。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - RCTを対象としたCochraneシステマティックレビュー/ネットワーク・メタ解析
- 研究デザイン
- OTHER