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AI強化心電図による性差関連心血管リスク連続体の同定:後ろ向きコホート研究

The Lancet. Digital health2025-02-28PubMed
総合: 84.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9

概要

120万件超の心電図とUK Biobankで外部検証されたAI-ECGにより、連続的な「性差不一致スコア」が算出され、高スコアの女性で心血管死亡や新規心不全・心筋梗塞リスクの上昇が示されました(男性では非関連)。同スコアは女性における「男性型」心構造・体成分表現型とも整合しました。

主要発見

  • AI-ECGによる性別識別はAUC 0.943(BIDMC)、0.971(UK Biobank)と高精度であった。
  • 性差不一致スコア高値は女性の心血管死亡リスク上昇を予測し(BIDMC HR 1.78、UKB HR 1.33)、男性では関連がなかった。
  • スコア高値の女性は将来の心不全・心筋梗塞リスクが高く、左室質量・容積増加などの男性型心構造や筋量増加・体脂肪減少などの非心臓表現型を示した。

臨床的意義

通常心電図でも潜在的リスクが高い女性をAI-ECG性差不一致スコアで拾い上げ、リスク因子管理の強化や追加画像検査・専門紹介に活用できる可能性があります。

なぜ重要か

性差に基づくリスクの不均一性を可視化する外部検証済みAIバイオマーカーを提示し、女性の早期予防介入を可能にし得るため重要です。

限界

  • 後ろ向き研究であり、交絡や選択バイアスが残存する可能性
  • 対象医療システムや人種集団以外への一般化には前向き検証が必要

今後の方向性

女性におけるリスク指標に基づく予防介入の前向き試験、ECG特徴と性差特異的心リモデリングの機序解明、祖先集団横断の公平性監査が必要です。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後/診断
エビデンスレベル
II - 大規模で適切に実施された観察コホート(外部検証あり)
研究デザイン
OTHER