低リスク患者における経カテーテル対外科的大動脈弁置換術:無作為化比較試験の最新メタアナリシス
総合: 84.0革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9
概要
6件のRCT(n=5,341)の再構成IPD生存解析で、TAVRはSAVRに比べ5年時の全死亡(HR 0.80)および死亡/機能障害を伴う脳卒中(HR 0.81)を低減し、脳卒中は同等であった。追跡は加重平均35.7か月であり、完全な5年到達前の集団がある点に留意が必要である。
主要発見
- 低リスク重症ASの6RCT(n=5,341)を再構成IPDで統合解析。
- 5年時にTAVRは全死亡(HR 0.80)および死亡/機能障害を伴う脳卒中(HR 0.81)を低減。
- 脳卒中発生率は両群で同等(HR 0.97)。
- 加重平均追跡35.7か月で、完全な5年追跡未達の症例が残る。
臨床的意義
適切な低リスクAS患者では、5年時の死亡/機能障害を伴う脳卒中の低減からTAVRを選好し得る。一方、特に若年層では弁耐久性や超長期転帰の継続的監視が不可欠である。
なぜ重要か
低リスク患者に関する無作為化エビデンスの総括で、5年にわたりTAVRの硬いエンドポイント改善を示し、ガイドラインや患者説明に直接資する。
限界
- 全試験で5年追跡が完遂しておらず、デバイス世代や外科手技の異質性がある。
- 再構成IPDに基づくため近似の導入は避けられず、5年超の耐久性は未確定。
今後の方向性
5〜10年超の延長追跡とデバイス別解析、若年層での無作為化比較、弁耐久性・再介入・QOL指標の統合。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 再構成IPDを用いた無作為化比較試験の統合解析。
- 研究デザイン
- OTHER