経皮的冠動脈治療におけるバイオアダプター植込み対薬剤溶出ステント:BIOADAPTOR無作為化試験の2年間成績
総合: 82.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
新規病変を対象とした多施設単盲検RCT(per-protocol n=440)で、バイオアダプターは2年のTLF(1.8%対5.5%)および標的血管不全(1.8%対5.9%)を有意に低減し、デバイス血栓症の増加は認められなかった。ポリマー吸収後に血管のヘモダイナミクスを回復させる設計が臨床転帰に寄与した可能性がある。
主要発見
- 2年TLFはバイオアダプターで低率(1.8%対5.5%、差−3.6%、P=0.044)。
- 2年の標的血管不全も低減(1.8%対5.9%、差−4.1%、P=0.027)。
- 確実/可能デバイス血栓症の増加は認めず(0%対0.5%、P=0.32)。
臨床的意義
適切な新規病変では、バイオアダプターにより2年TLF/TVFが低減し安全性も維持される可能性があり、今後の検証次第でPCIデバイス選択が「生理回復型」へとシフトする可能性がある。
なぜ重要か
血管生理を回復させる新規デバイスクラスを、現行DESと2年で初めて無作為化比較し、イベント減少を示したため、実臨床に波及する可能性が高い。
限界
- per-protocol解析で一部無作為化例が除外され、ITTに比べバイアスの可能性。
- サンプルサイズが中等度で稀な安全性イベントや詳細サブ解析の力が限定的。
今後の方向性
多様な解剖学的条件と画像評価を含む大規模ITT中心RCTおよび最新DESとの直接比較により、耐久性・血管運動回復・臨床便益の確証が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化比較試験で2年アウトカムを評価。
- 研究デザイン
- OTHER