クローン造血と心不全の発症および転帰の関連:システマティックレビューとメタアナリシス
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9
概要
本システマティックレビュー/メタアナリシス(n=57,755)では、クローン造血が新規発症心不全リスクを増加(HR 1.23, 95%CI 1.12–1.35)させ、既存の心不全患者でも予後不良と関連することが示されました。
主要発見
- 57,755例を対象に、クローン造血は新規発症心不全リスク上昇と関連(HR 1.23, 95%CI 1.12–1.35)。
- 既存の心不全患者においても、CHは予後不良と関連した。
- 三者独立の選別と三層混合効果メタ解析により方法論的厳密性を担保。
臨床的意義
CHの有無を心不全のリスク評価や臨床試験の層別化に取り入れることを検討すべきであり、介入研究の検証待ちではあるがハイリスク者の抽出や抗炎症経路の標的化に有用となり得ます。
なぜ重要か
堅牢な方法で不一致なエビデンスを統合し、心不全のリスクと予後におけるゲノム・炎症仮説を強化しており、リスク層別化や機序・介入研究の方向性に資します。
限界
- 主に観察研究に基づくため残余交絡やCH定義のばらつきの可能性。
- コホート、シーケンス深度、クローン閾値、転帰判定の異質性。
今後の方向性
クローン特性(遺伝子、VAF、動態)とHFサブタイプの前向き連結、CH陽性者を対象とした炎症経路標的の介入試験が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 主として観察研究を対象とした厳密な手法のシステマティックレビュー/メタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER