ミエロイド脂肪酸代謝は周辺造血幹細胞を活性化し、駆出率保持心不全(HFpEF)を促進する
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
ヒト検体とマウスモデルを用い、心代謝性HFpEFで循環造血幹細胞の増加、ニッチのリモデリング、ミエロイド脂肪酸代謝の適応不全が全身炎症と拡張機能障害を助長することを示した。マルチオミクスと同位体トレーシングにより、マクロファージの細胞内代謝プログラムが因果的ドライバーであることが支持された。
主要発見
- 心代謝性HFpEF患者で末梢血造血幹細胞が増加し、この表現型は高脂肪食+高血圧マウスで再現された。
- 造血幹細胞の増殖は末梢ニッチのリモデリングとマクロファージ接着分子の発現増加を伴っていた。
- 同位体トレーシングとex vivo解析により、マクロファージの脂肪酸代謝が全身炎症と拡張機能障害の因果的ドライバーであることが示唆された。
臨床的意義
直ちに実臨床を変えるものではないが、循環造血幹細胞などのバイオマーカーや、ミエロイド脂肪酸代謝経路という治療標的をHFpEFに提示する。
なぜ重要か
ミエロイド脂肪酸代謝と造血活性化を結ぶ機序を明らかにし、免疫代謝を標的とするHFpEF治療の道を開く。ヒトデータと厳密なin vivo/in vitro検証を統合している。
限界
- ヒトにおける機序の一部は推論にとどまり、介入的検証が必要
- 各アッセイの症例数など詳細は抄録からは不明で、検出力の評価が限定的
今後の方向性
HFpEFモデルでミエロイド脂肪酸代謝の薬理学的・遺伝学的介入を検証し、前向きコホートで循環造血幹細胞をバイオマーカーとして評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 観察的ヒトデータに動物実験とex vivo検証を統合したトランスレーショナル機序研究
- 研究デザイン
- OTHER