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非糖尿病高齢者におけるサルコペニア肥満と心房細動リスク:前向きコホート研究

Clinical nutrition (Edinburgh, Scotland)2025-03-15PubMed
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

非糖尿病高齢者4,321例を10.9年間追跡した結果、サルコペニア肥満はサルコペニア単独や肥満単独を上回るAFリスク上昇(HR 2.669)と関連しました。媒介解析では、インスリン抵抗性(eGDR)、高感度CRP、ガレクチン-3が一部媒介因子として示されました。

主要発見

  • 10.9年でAF発症は546件(1,000人年あたり11.98件)。
  • サルコペニア肥満はAFリスクを最大に上昇(HR 2.669; 95% CI 2.110–3.377)。サルコペニア単独(HR 1.980)や肥満単独(HR 1.839)より高い。
  • サルコペニアと肥満の相乗交互作用がAFリスクを増大(HR 2.029; 95% CI 1.639–2.512)。
  • インスリン抵抗性(eGDR 34.87%)、hsCRP(27.56%)、ガレクチン-3(21.05%)が媒介。

臨床的意義

高齢者におけるサルコペニア肥満のスクリーニングと、筋量・脂肪量・インスリン感受性・炎症を標的とした介入は、AF発症抑制に寄与する可能性があります。

なぜ重要か

修正可能な体組成表現型をAFリスクに結び付け、インスリン抵抗性と炎症を介した機序を示したことで、単なる体重管理を超えた予防戦略に示唆を与えるためです。

限界

  • 観察研究であり因果推論は困難で、残余交絡の可能性がある。
  • 体組成評価の手法詳細が抄録内で十分に示されておらず、対象が非糖尿病高齢者に限定され一般化可能性に制約。

今後の方向性

筋力増強、脂肪量低減、インスリン感受性改善を標的とした介入試験によるAF予防効果の検証が必要。バイオマーカーに基づく精密予防戦略の評価も望まれます。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - 長期追跡を行う地域住民ベースの前向きコホートによるリスク関連の評価。
研究デザイン
OTHER