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近隣・環境要因が新規心血管疾患発症リスクに与える影響:系統的レビューとメタ解析

European journal of preventive cardiology2025-03-19PubMed
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8

概要

28研究(約4,100万人)を統合した結果、PM2.5・NO2の上昇、道路騒音、地域貧困はいずれも新規CVD発症リスクの有意な上昇と関連しました。南半球での大規模研究や緑地・青地、医療・小売環境に関するエビデンスは乏しいことが示されました。

主要発見

  • PM2.5は10 µg/m³増加ごとに新規CVDリスクを16%上昇(HR 1.16, 95%CI 1.09-1.24)。
  • NO2は10 ppb増加ごとに新規CVDリスクを5%上昇(HR 1.05, 95%CI 1.02-1.07)。
  • 道路騒音は10 dB増加ごとに新規CVDリスクを3%上昇(RR 1.03, 95%CI 1.02-1.05)。
  • 地域貧困が高いと新規CVDリスクは24%高い(RR 1.24, 95%CI 1.17-1.31)。

臨床的意義

臨床家はCVDリスク評価に環境曝露を考慮し、PM2.5/NO2や交通騒音の低減、地域貧困の緩和に向けた政策を、とくに高リスク地域で支援すべきです。

なぜ重要か

環境・社会的決定要因の定量化により、個人レベルの介入を超えた公衆衛生・都市政策のターゲットを提示する点で重要です。

限界

  • 観察研究であり、残余交絡や曝露分類の誤差が残る可能性。
  • 地理的偏り(南半球の研究が少ない)と、緑地・青地に関するデータの不足。

今後の方向性

低・中所得国での前向き研究や、汚染対策・騒音低減・都市の緑化などの介入評価により、因果性と便益の定量化が求められる。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - コホート研究の系統的レビューとランダム効果メタ解析
研究デザイン
OTHER