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マクロファージHM13/SPPは泡沫化と動脈硬化形成を促進する

Advanced science (Weinheim, Baden-Wurttemberg, Germany)2025-03-20PubMed
総合: 87.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8

概要

ネットワーク解析と機序研究により、HM13/SPPがHO-1のERAD依存分解を促進してマクロファージの脂質負荷・泡沫化を駆動することが示された。骨髄系HM13過剰発現は動脈硬化を加速し、ノックアウトは保護的であった。AIPはAHR–p38–c-JUN経路を介してHM13を抑制する。

主要発見

  • AIPはヒト動脈硬化(STAGEコホート)、oxLDL刺激マクロファージ、プラーク泡沫細胞においてHM13/SPPと負に相関する。
  • AIPはAHRのシャペロン作用を介してp38–c-JUNによるHM13転写活性化を抑制し、マクロファージ脂質蓄積を低減する。
  • 骨髄系HM13/SPP過剰発現は泡沫化と動脈硬化を促進し、ノックアウトは反対に保護的である。
  • HM13/SPPはHO-1のERAD依存的プロテアソーム分解を促進し、ERプロテオスタシスと泡沫細胞生物学を結びつける。

臨床的意義

HM13/SPPの抑制やHO-1安定化の強化は泡沫化負荷と動脈硬化を低減し得る。AHR–AIP経路の調整も抗動脈硬化戦略となり得る。

なぜ重要か

泡沫化の新規ERAD–HO-1軸を提示し、AIP/AHRシグナル下流の標的可能なノードとしてHM13/SPPを提案する点で革新的である。

限界

  • HM13/SPPの薬理学的阻害の検討がなく、オフターゲットや全身影響の評価が未実施。
  • ヒト介入研究での翻訳的検証が不足している。

今後の方向性

HM13/SPP選択的阻害薬やHO-1安定化薬の開発、前臨床動脈硬化モデルでの有効性検証、AHR–AIP経路調整のヒトでの探究。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - ヒトデータとマウス遺伝学を統合した機序実験研究。
研究デザイン
OTHER