CMRガイド・オンスクリーンターゲティングによるCRTリード留置精度の最適化:無作為化比較試験(ADVISE-CRT III)
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
多施設RCT(n=131)において、CMRとAIによるオンスクリーン・ターゲティングは、従来法に比べ目標部位への左室リード留置率を有意に高め、瘢痕内留置を減少させた。全体のLVESV減少は有意差がないものの、心筋瘢痕例では画像ガイド群でLVESV減少が有意に大きかった。
主要発見
- 目標部位への左室リード留置:66.7%(画像ガイド)vs 29.2%(従来法), P<0.001
- 瘢痕内留置の減少:7.1% vs 36.4%, P=0.006
- 全体の平均LVESV減少は画像ガイド群で大きい傾向(43.2% vs 37.6%, P=0.166)、瘢痕サブグループでは有意差あり(40.7% vs 27.7%, P=0.028)
臨床的意義
手術前CMRとオンスクリーン・ターゲティングをCRTに組み込むことで、特に心筋瘢痕を有する患者で標的部位留置の精度を高め、リモデリング改善の可能性がある。
なぜ重要か
CMRとAIを用いた精密ターゲティングがCRTにおける手技精度と瘢痕例での機能改善を示した初期の無作為化エビデンスであり、個別化ペーシングを前進させる。
限界
- 症例数が比較的少なく、全体でのLVESV差検出力が限定的
- 追跡6カ月と短期であり、臨床アウトカムの十分な評価には至らない可能性
今後の方向性
より大規模かつ長期の試験で死亡・心不全再入院などの臨床転帰、費用対効果、異なる医療体制・デバイス間での一般化可能性を検証すべきである。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 事前規定の評価項目を有する多施設ランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER