心筋梗塞後の心修復における後期活性化線維芽細胞に対するCD248標的BBIR-T細胞療法
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
瘢痕成熟期にCD248を発現する後期活性化線維芽細胞(F-Act)を同定し、CD248標的BBIR-T細胞療法を構築しました。成熟後にF-Actを選択的に除去すると、梗塞辺縁部の線維化拡大が抑制され、心機能が改善しました。CD248発現はヒト心臓でも確認されました。
主要発見
- 単一細胞解析により、心筋梗塞後の瘢痕成熟期にCD248陽性の後期活性化線維芽細胞(F-Act)を同定し、ヒト心臓でもCD248発現を確認。
- CD248標的BBIR-T細胞は成熟後のF-Actを選択的に除去し、梗塞周辺の線維化拡大を抑制して機能を改善。
- 成熟後に標的化する治療タイミングにより、早期修復を温存しつつ慢性線維化を軽減できる可能性を示した。
臨床的意義
早期修復を損なわず、成熟後の病的線維芽細胞を狙う時間層別の精密間質免疫療法により、心筋梗塞後の瘢痕拡大を抑える戦略を示唆します。
なぜ重要か
瘢痕成熟後の病的線維芽細胞サブセットを選択的に除去する初のエンジニアドT細胞療法を提示し、機能改善と臨床応用可能性を示しました。
限界
- 前臨床段階であり、安全性・オフターゲット・免疫原性の詳細評価が必要
- 心疾患領域での細胞製剤の製造・投与に関する実装上の課題
今後の方向性
標的化(親和性・用量・タイミング)の最適化、大動物での安全性評価、抗線維化薬や免疫調整薬との併用検討を進める。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序解明研究
- 研究領域
- 治療/病態生理
- エビデンスレベル
- V - 単一細胞解析に基づく前臨床の治療開発研究
- 研究デザイン
- OTHER