高コレステロール血症に対する経口PCSK9阻害薬:PURSUIT無作為化試験
総合: 84.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9
概要
第2相二重盲検プラセボ対照RCTで、経口PCSK9阻害薬AZD0780は12週間でLDL-Cを35~51%低下させ、用量反応性を示し、安全性はプラセボと同程度であった。
主要発見
- 12週時のプラセボ補正LDL-C低下率は1,3,10,30mgでそれぞれ−35.3%、−37.9%、−45.2%、−50.7%。
- 効果はスタチン強度によらず、用量に比例してガイドライン目標到達率が上昇。
- 有害事象発現率はAZD0780群38.2%、プラセボ群32.6%で同程度。
臨床的意義
転帰改善が確認されれば、高リスク患者のLDL-C目標達成のためにスタチン/エゼチミブとの併用で経口PCSK9阻害薬を組み込み、アドヒアランス向上と適用拡大が期待できる。
なぜ重要か
注射製剤中心のPCSK9阻害に対し、服薬遵守やアクセス改善が期待できる経口小分子という点でパラダイムシフトとなり得る。
限界
- 12週間の代替指標(LDL-C)のみで心血管イベントは未評価。
- 一般化可能性と長期安全性は第3相試験での検証が必要。
今後の方向性
第3相転帰試験の実施、長期安全性とアドヒアランスの評価、注射製剤との直接比較、費用対効果の検討が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検プラセボ対照試験で薬力学的有効性を示した。
- 研究デザイン
- OTHER