高リスクPCI後患者におけるクロピドグレル対アスピリン単剤療法の有効性と安全性(SMART-CHOICE 3):無作為化多施設オープンラベル試験
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
標準DAPT完了後の高リスクPCI患者5,506例において、クロピドグレル単剤はアスピリン単剤に比し、全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合を低下(3年4.4%対6.6%、HR 0.71)し、出血増加は認めなかった(3.0%対3.0%)。心筋梗塞の低減が目立ち、用量や忍容性は同等であった。
主要発見
- 主要複合評価項目はクロピドグレル群で低下(3年4.4%対6.6%、HR 0.71、p=0.013)。
- 大出血は差がなかった(3年3.0%対3.0%)。
- 心筋梗塞は有意に低減(HR 0.54)。用量・忍容性は群間で同等。
臨床的意義
ガイドライン推奨DAPT完了後の高リスクPCI患者では、出血を増やさず死亡・心筋梗塞・脳卒中を減らす観点から、アスピリンよりクロピドグレル単剤を選択し得る。遺伝子多型や薬物相互作用、ガイドライン改訂を考慮して導入すべきである。
なぜ重要か
PCI後の慢性期維持療法としての「アスピリンが標準」という前提に挑戦し、高リスク患者で出血増加なくクロピドグレルの虚血抑制優越性を示した。
限界
- オープンラベルでありパフォーマンスバイアスの可能性
- 単一国(韓国)の試験で一般化可能性と薬理遺伝学的多様性に限界
今後の方向性
より広範な集団での直接比較、遺伝子多型に基づく抗血小板戦略、費用対効果評価により国際ガイドライン策定を支援する研究が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ハードエンドポイントを用いた多施設無作為化臨床試験。
- 研究デザイン
- OTHER