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マクロファージWEE1はNF-κB p65サブユニットに直接結合しリン酸化して炎症反応を誘導し、動脈硬化を促進する

Advanced science (Weinheim, Baden-Wurttemberg, Germany)2025-04-09PubMed
総合: 87.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8

概要

本研究は、WEE1がマクロファージでNF-κB p65に直接結合しS536をリン酸化して炎症シグナルと動脈硬化を増強することを示しました。WEE1の遺伝学的欠損や薬理学的阻害は炎症と動脈硬化を軽減し、WEE1が薬剤標的となり得る上流制御因子であることを示唆します。

主要発見

  • マクロファージWEE1はヒト・マウスの動脈硬化病変でS642がリン酸化されている。
  • WEE1のリン酸化(発現量ではない)が酸化LDL誘導のマクロファージ炎症を媒介する。
  • マクロファージ特異的WEE1欠損または薬理学的阻害により炎症と動脈硬化が軽減する。
  • WEE1はNF-κB p65に直接結合しS536をリン酸化してNF-κBシグナルを活性化する。

臨床的意義

前臨床段階ながら、WEE1阻害薬の抗炎症的動脈硬化保護作用の検証や、p65 S536リン酸化などのバイオマーカーによる反応予測の開発を後押しします。

なぜ重要か

WEE1がNF-κB p65の直接の上流キナーゼであることは、既存のWEE1阻害薬の転用可能性を伴う新規標的を提示し、動脈硬化治療の新展開につながります。

限界

  • 前臨床モデルでありヒト介入試験での検証がない
  • 全身的なWEE1阻害に伴うオフターゲットや安全性の懸念

今後の方向性

心血管エンドポイントを備えた動脈硬化モデルでWEE1阻害薬を検証し、マクロファージ標的化デリバリーを開発、ヒトプラークでのp65 S536リン酸化の薬力学バイオマーカー妥当性を評価する。

研究情報

研究タイプ
基礎・機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
IV - 動物モデルとヒト組織に基づく前臨床の機序的エビデンス
研究デザイン
OTHER