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心臓は内因性ケトン産生能を有し、NAD+補充の治療効果を媒介する

Circulation research2025-04-11PubMed
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9

概要

ヒト心筋はHMGCS2を介した内因性ケトン産生能を有し、NAD+補充によりHMGCS2の脱アセチル化と機能回復が起こり、脂質代謝とミトコンドリア機能が正常化してHFpEFが改善することを示した。心筋特異的HMGCS2は治療効果に必須であり、心筋ケトン代謝とHFpEF治療反応を結び付けた。

主要発見

  • ヒト心臓はHMGCS2を介して内因性にケトン体を産生し、アセチル化により酵素活性が低下する。
  • NAD+補充はHMGCS2の脱アセチル化と機能回復を促し、脂肪酸酸化を高め、HFpEFの心機能を改善する。
  • 心筋特異的HMGCS2ノックダウンではNAD+補充の治療効果が消失する。

臨床的意義

HFpEFにおける代謝個別化治療(例:NAD+補充)の根拠を強化し、HMGCS2の状態が反応性層別化に有用となる可能性を示す。心筋ケトン産生を高める、あるいはアセチル化を調節する治療併用の動機付けとなる。

なぜ重要か

ヒトで心筋ケトン産生の直接証拠を示し、HFpEFにおけるNAD+療法の効果にHMGCS2が必須であることを解明した。HFpEFの代謝治療やバイオマーカー戦略を再定義する成果である。

限界

  • 臨床NAD+介入へのトランスレーションには無作為化試験が必要
  • HFpEFの病因多様性が一般化可能性に影響し得る

今後の方向性

心筋ケトン産生/HMGCS2活性のバイオマーカー開発、NAD+補充や脱アセチル化調節薬のHFpEF臨床試験、最大の恩恵を受ける患者サブグループの同定が求められる。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序解明研究
研究領域
病態生理/治療
エビデンスレベル
V - ヒト組織と動物モデル・マルチオミクスによる機序解明研究
研究デザイン
OTHER