冠動脈CT血管造影に基づくAIプラーク負荷の安全域カットオフ導出と外部検証:長期ACS予測
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
約7年追跡の2レジストリで、AIにより算出したPAV 2.6%カットオフは将来のACSに対し感度≥90%・陰性的中率99%を達成し、低リスク群を大きく同定した。一方、閾値以上ではACSリスクが有意に高かった。
主要発見
- 導出群(n=2,271):PAV≥2.6%で将来ACSに対し感度90.0%、陰性的中率99.0%(追跡中央値6.9年)。
- 外部検証(n=568):PAV≥2.6%で感度92.6%、陰性的中率99.0%(6.7年)。
- PAV≥2.6%はACSリスク上昇と独立関連(HR 4.65[導出]、HR 7.31[検証])。
- PAV<2.6%の割合は導出45.2%、検証34.3%で、無プラーク(PAV 0%)に比べ低リスク群を広く同定可能。
臨床的意義
CCTA所見にAI-PAVと2.6%安全域を併記することで、低リスク例の安心提供と閾値超過例での予防強化・監視優先度付けを可能にする。
なぜ重要か
高感度を維持しつつ過剰診断を回避するAI-CCTAの閾値を提示し、意思決定やフォローの効率化に資する。
限界
- 観察レジストリ研究であり、リスク表示を超える介入可能性は前向き検証が必要
- 装置・AI手法・多様な集団への一般化には追加評価が必要
今後の方向性
AI-PAV閾値を診療経路(トリアージ・治療強化)に組み込む前向き試験、マルチベンダー検証、費用対効果分析が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- III - 予後判定用カットオフの導出と外部検証を行った観察研究
- 研究デザイン
- OTHER