外来血圧測定、欧州ガイドライン目標、および心血管転帰:個人レベル・メタ解析
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
14コホート(n=14,230、追跡中央値10.9年)で、外来血圧がESC 2024目標内にある時間割合(PTTR)が長いほど、死亡および心血管イベントが有意に低下した。PTTRは診察室血圧よりも管理状況の分類に優れ、2024基準は有害事象リスク低減に必要な時間を短縮した。
主要発見
- 24時間PTTRの増加は全死亡(HR 0.57)と心血管イベント(HR 0.30)の大幅な低下と関連。
- 日中・夜間PTTRおよび心血管死亡・冠動脈イベント・脳卒中でも一貫した結果。
- ESC 2024基準は2018基準と比べ、60%の相対リスク低減に必要な時間を14.4時間から4.3時間に短縮。診察室血圧はPTTRに比べ多数を誤分類。
臨床的意義
ABPM由来PTTRを日常のリスク評価と治療調整に組み込み、診察室単回値よりも「目標内時間」を重視。ESC 2024の閾値を用いてリスク低減を加速する方針が有用。
なぜ重要か
PTTRという実践的・定量的指標が強い予後予測能を示し、ABPMベースの管理目標や診療ワークフローに影響し得るため。
限界
- 観察研究であるため、調整後も残余交絡の可能性
- ABPMプロトコールや機器の不均一性を完全には排除できない
今後の方向性
PTTRを介入目標とする前向き試験、デジタル高血圧管理への統合、高リスク・過小評価集団での外的妥当性検証。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 観察コホートを用いた高品質な個人データ・メタ解析による予後評価。
- 研究デザイン
- OTHER