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Ets1制御性の内皮分泌因子は緻密心筋の成長を促進し心室非緻密化の病因に関与する

Cardiovascular research2025-12-02PubMed
総合: 77.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 7

概要

内皮Ets1はNotch1シグナルとECM因子分泌を介して緻密心筋の成長を統御します。内膜または冠内皮でのEts1欠損は増殖を障害し、外因性Hmcn1、Slit2、Col18a1やNotch1エフェクターNrg1で回復しました。心室非緻密化の治療標的を提示します。

主要発見

  • 単一細胞RNA-seqで非緻密化心室における内皮・心筋の異常状態を同定。
  • 内膜でのEts1欠損はDlk1上昇・Dll4低下を介してNotch1シグナルを抑制。
  • 冠内皮でのEts1欠損は増殖促進ECM(Hmcn1、Slit2、Col18a1)を低下。
  • 外因性ECMやNotch1エフェクターNrg1で緻密心筋の増殖が回復。

臨床的意義

前臨床段階ながら、ECMタンパク投与やNotch1/Nrg1経路の調節が心室非緻密化の新規治療戦略となる可能性を示します。

なぜ重要か

内皮生物学と緻密心筋発生・心室非緻密化を結ぶ標的可能な機序を提示し、回復実験により翻訳可能性を裏付ける重要な成果です。

限界

  • 前臨床モデルでありヒトでの検証が未実施。
  • ECMやNrg1治療の長期安全性・送達法は未検討。

今後の方向性

ヒト心室非緻密化組織でのEts1依存的標的の検証、ECM/Nrg1の送達システム開発、大動物モデルでの有効性・安全性評価が求められます。

研究情報

研究タイプ
基礎・機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
IV - 条件付きノックアウトとscRNA-seq、回復実験を用いた前臨床の機序研究。
研究デザイン
OTHER