2000〜2023年における代謝症候群の世界的動向:システマティックレビューとモデリング解析
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9
概要
4,554万例を含む3,236データの解析により,2000年以降,代謝症候群の有病率は女性31.0%,男性25.7%(2023年)へほぼ倍増し,世界で約15.4億人に達した。年齢,都市化,所得とともに負担は増え,196か国で上昇しており,緊急の心代謝予防対策が求められる。
主要発見
- 2000〜2023年に女性は14.7%→31.0%,男性は9.0%→25.7%へ上昇。
- 2023年には推定15.4億人がMetSで,196の国・地域で増加がみられた。
- 負担は加齢・都市化・所得とともに上昇し,高収縮期血圧・高空腹時血糖・腎機能障害が主要リスクで,パンデミック期に健康余命の改善が一時的に逆転した。
臨床的意義
一次医療におけるMetSスクリーニングの体系化,高リスク集団(高齢者・都市部・高所得環境)の優先介入,および血圧・脂質・血糖管理や肥満薬物療法・生活習慣介入の拡大により,心血管疾患への進展を抑制すべきである。
なぜ重要か
代謝症候群の世界的負担を最新かつ包括的に定量化し,政策立案,資源配分,心代謝予防戦略の策定に資する。
限界
- 研究・地域間でMetSの定義や測定が不均一
- 一部の国でデータ欠損があり,二次資料に依存するため不確実性が残る
今後の方向性
MetSの定義とサーベイランスの標準化,過少代表地域での一次データ収集の拡充,政策介入が心代謝アウトカムに及ぼす影響の評価が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- II - 観察研究データのシステマティックレビューとベイズモデリング
- 研究デザイン
- OTHER