慢性腎臓病と抵抗性高血圧患者におけるアプロシテンタン
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
KDIGO高〜極高リスクのCKD合併抵抗性高血圧患者において、アプロシテンタンは外来・夜間血圧を大きく低下させ、尿中アルブミン・クレアチニン比も36週まで持続的に減少させ、初期の末梢浮腫以外は概ね良好に忍容されました。難治集団での心腎保護効果が示唆されます。
主要発見
- 週4の外来収縮期BPは、12.5mgで−13.5mmHg、25mgで−16.6mmHg(プラセボ−4.4mmHg)低下し、25mgで週36まで−16.4mmHgの低下が維持されました。
- 夜間ABPM収縮期BPは週4で12.5/25mg群で−9.6/−13.8mmHg、プラセボで−2.5mmHgでした。
- 尿中アルブミン・クレアチニン比は週4で−47.1%/−59.6%(プラセボ−2.4%)低下し、25mgで週36まで−61.6%が維持されました。
- カリウムやeGFRの変化はなく、忍容性は良好で、初期の末梢浮腫が最も多い有害事象でした。
臨床的意義
CKD合併抵抗性高血圧の追加治療としてアプロシテンタンを検討し、初期の末梢浮腫に留意してモニタリングを行います。夜間血圧とアルブミン尿の改善は心腎アウトカムの向上に結びつく可能性があり、慎重なフォローが必要です。
なぜ重要か
高リスクで治療選択肢の限られるCKD合併抵抗性高血圧において、エンドセリン経路を標的化し、血圧とアルブミン尿の両方を改善。ガイドラインや臨床実装を後押しする可能性があります。
限界
- CKDサブグループの事後解析であり、主要解析集団ではない
- 単一試験プログラムのデータであり、長期の臨床アウトカムは未評価
今後の方向性
心腎アウトカムに十分な検出力を持つCKD集団での前向き試験や、浮腫対策の検証。エンドセリン遮断がアルブミン尿や夜間血圧に及ぼす機序研究も必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験(事後サブグループ解析)
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 第3相ランダム化比較試験内の事後解析
- 研究デザイン
- OTHER