糖尿病足潰瘍予防におけるクロルヘキシジン対通常の足洗浄の比較:ランダム化臨床試験
総合: 72.0革新性: 6インパクト: 6厳密性: 9引用可能性: 6
概要
二重盲検プラセボ対照RCT(n=175)において、2%クロルヘキシジン拭き取りは1年間の新規足合併症発生リスクを石けん水拭き取りと比べて低下させませんでした。忍容性は良好で、製品関連の有害事象は認められませんでした。
主要発見
- クロルヘキシジン群で新規足合併症の有意な減少はなし(12/88[14%]対 14/87[16%];HR 0.83, 95%CI 0.39–1.80)。
- 合併症発生までの中央値は232日(四分位範囲 115–315日)。
- 1年間の遵守率は83%で、製品関連の有害事象は認められなかった。
臨床的意義
糖尿病足管理で潰瘍・感染・切断予防の目的にクロルヘキシジン拭き取りを常用すべき根拠はありません。標準的な石けん洗浄と包括的な足のセルフケア教育を強化すべきです。
なぜ重要か
高品質な否定的RCTにより、消毒拭き取りが糖尿病足合併症を予防するという前提に疑義が示され、予防戦略の見直しに資するため重要です。
限界
- 単施設VA集団で外的妥当性に限界
- 第2b相で症例数が比較的少なく、小さな効果検出には検出力不足の可能性
今後の方向性
教育・免荷・靴具などを含む多面的介入の検証や、消毒戦略の恩恵を受けうるサブグループの特定、多施設実装試験の実施が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 無作為化・二重盲検・プラセボ対照の臨床試験
- 研究デザイン
- OTHER