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メタボロミクスとトランスクリプトミクス統合により解明するアブラヤシ脂質代謝の分子機構

Food chemistry2025-04-06PubMed
総合: 68.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 6

概要

2品種・3発達段階におけるLC–MS/MSメタボロミクスとトランスクリプトミクス統合により、30代謝物と8,208の発現差遺伝子を同定し、段階特異的な脂質変動を示した。相関解析から脂肪酸合成・修飾・輸送に関与する候補遺伝子を抽出し、食品や化粧品で利用される油の収量・品質改善に資する知見を提供した。

主要発見

  • 受粉後95・125・185日の各段階でLC–MS/MS脂質解析を行い30の代謝物を同定
  • シードレス(MS)と薄果肉(MT)品種間で8,208の発現差遺伝子を同定
  • 果実発達に伴う飽和・不飽和脂肪酸の段階特異的な有意変動を確認
  • 代謝物と遺伝子発現の相関から、脂肪酸合成・修飾・輸送に関与する候補遺伝子を提示

臨床的意義

直接の臨床的影響はないが、皮膚科・化粧品製剤の安定性・質感・許容性に影響する油脂プロファイルの選択・設計に資する可能性がある。

なぜ重要か

脂質生合成を支える遺伝子–代謝物関係を明らかにし、遺伝的改良における実行可能な標的を提示した点で、化粧品や食品の油脂プロファイル最適化に直結する。

限界

  • 2品種・果肉組織に限定され、環境・遺伝的多様性を十分に網羅していない
  • 相関に基づく設計であり、機能的検証(遺伝子改変等)がない

今後の方向性

候補遺伝子の機能検証(CRISPR等)、多様な系統・環境への拡張、油脂プロファイルと食品・化粧品の製品性能の連結が課題である。

研究情報

研究タイプ
基礎研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 臨床アウトカムを伴わない前臨床・基礎のオミクス研究
研究デザイン
OTHER