腸内共生菌Barnesiella intestinihominisは高血糖と肝代謝異常を改善する
総合: 90.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9
概要
2つの患者集団でB. intestinihominisはT2Dで減少していました。生菌またはその代謝産物である酢酸投与により、HDAC9阻害とFGF21プロモーターのH3K27アセチル化を介してFGF21が増加し、HFD/STZおよびdb/dbマウスで高血糖と肝代謝異常が改善しました。プレバイオティクスのプエラリンは本菌の増殖を促進し、代謝改善効果を再現しました。
主要発見
- B. intestinihominisは2つの独立コホートでT2D患者の糞便中で減少している。
- 生菌の経口投与により、HFD/STZおよびdb/dbマウスで高血糖と肝代謝異常が改善する。
- 酢酸はHDAC9を阻害しFGF21プロモーターのH3K27アセチル化を増強してFGF21を上昇させる。
- プエラリンはB. intestinihominisの増殖を促進し、腸内細菌叢依存的に代謝表現型を改善する。
臨床的意義
内因性FGF21を高めるプロバイオティクス(B. intestinihominis)やプレバイオティクス(プエラリン)の開発を後押しし、血糖やNAFLD様所見の改善が期待されます。薬力学的バイオマーカーとしてFGF21や短鎖脂肪酸の測定が示唆されます。
なぜ重要か
腸内細菌叢と代謝を結ぶ酢酸–HDAC9–FGF21という具体的なエピジェネティック機序を解明し、T2Dに対するプロバイオティクス・プレバイオティクス戦略を提示する点で重要です。
限界
- ヒト介入試験が未実施であり、生菌投与の有効性・安全性は未検証
- サンプルサイズやコホート詳細が抄録からは不明
今後の方向性
T2D患者を対象に、FGF21や酢酸のバイオマーカー評価を組み込んだB. intestinihominisおよびプエラリンの第1/2相試験を実施し、定着動態・用量・長期肝心代謝アウトカムを検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - ヒト観察研究(症例対照)に動物モデルでの機序検証を加えたエビデンス
- 研究デザイン
- OTHER