メインコンテンツへスキップ

摂食誘導性ミオカインは糖代謝恒常性を調節する

Nature metabolism2025-01-03PubMed
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9

概要

本研究は、摂食により誘導されるミオカインfeiminが糖代謝を調節することを示しました。feiminはMERTKに結合してAKTを活性化し、糖取り込みを増加させ肝糖産生を抑制します。インスリンとの併用で相乗的に血糖を改善し、ヒトMERTK変異(R466K)はfeimin結合低下と食後血糖・インスリン上昇に関連しました。

主要発見

  • 骨格筋由来の摂食誘導性ミオカインfeiminを同定。
  • feiminはMERTKに結合しAKTを活性化、糖取り込み促進・糖産生抑制をもたらす。
  • feiminとインスリンの併用はマウスで相乗的に血糖を改善。
  • ヒトMERTK R466K変異はfeimin結合を低下させ、食後血糖・インスリン上昇と関連。

臨床的意義

前臨床段階ながら、feimin–MERTK軸は食後高血糖制御を増強する新たな治療標的・バイオマーカーになり得ます。MERTK R466K多型はfeiminシグナル低下群の層別化に有用かもしれません。

なぜ重要か

新規のミオカイン—受容体軸(feimin—MERTK)を提示し、ヒト遺伝学的関連およびインスリンとの薬理学的相乗作用という翻訳可能性を備えています。

限界

  • 前臨床段階でありヒトでの有効性・安全性は未検証。
  • 骨格筋以外の組織特異性や代謝全体への影響の広がりは更なる検討が必要。

今後の方向性

ヒトでのfeimin–MERTKシグナル(薬物動態・標的占有)を検証し、代謝疾患モデルや早期臨床試験での治療的介入の有効性を評価する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理/治療
エビデンスレベル
V - 動物・細胞モデルとヒト遺伝学的関連による前臨床の機序的エビデンス。
研究デザイン
OTHER