無糖尿病のカルシウム結石および尿酸結石患者に対するエンパグリフロジン:無作為化第2相試験
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験(n=53)で、エンパグリフロジンはカルシウム結石患者でリン酸カルシウムの相対過飽和度を36%、尿酸結石患者で尿酸の相対過飽和度を30%低下させました。短期間投与で重篤または事前規定の有害事象は認められませんでした。
主要発見
- カルシウム結石患者でリン酸カルシウムの相対過飽和度が36%低下。
- 尿酸結石患者で尿酸の相対過飽和度が30%低下。
- 各2週間の投与期間で重篤または事前規定の有害事象なし。
- 結石タイプ別に特異的効果で、非対象RSRには有意差なし。
臨床的意義
エンパグリフロジンは、無糖尿病のリン酸カルシウム結石や尿酸結石に対する予防選択肢となり得ます。結石再発、長期安全性、代謝影響を評価する長期試験が必要です。
なぜ重要か
SGLT2阻害という代謝治療のリポジショニングが、無糖尿病の結石患者で妥当性のある尿過飽和度指標を低下させることを示し、予防試験への道を開きます。
限界
- 投与期間が短く(各2週間)、単施設試験であること。
- 主要解析がper-protocolで症例数が限られ、臨床的再発は未評価。
今後の方向性
結石再発・安全性・患者報告アウトカムに十分な検出力をもつ多施設・長期RCTを実施し、フェノタイプ別の過飽和度低下の機序を解明する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー臨床試験。
- 研究デザイン
- OTHER