EEFSEC欠損症:早期発症神経変性を呈するセレノパチー
総合: 82.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 8
概要
8家系9例において、EEFSEC二アレル変異がセレノ蛋白質欠乏症候群を引き起こし、小脳病変を主体とする早期発症の進行性神経変性を呈しました。線維芽細胞の機能解析とeEFSec-RNAiショウジョウバエモデルにより、セレノ蛋白質合成低下と表現型(シナプス・運動機能障害)との関連が検証されました。
主要発見
- 9例における6種類のEEFSEC二アレル変異が劣性のセレノ蛋白質欠乏症を引き起こす。
- 患者線維芽細胞でセレノ蛋白質低下が確認され、EEFSEC機能障害を支持する。
- eEFSec-RNAiショウジョウバエモデルで進行性の運動・シナプス障害が再現され、人の小脳優位の病理と一致する。
臨床的意義
セレノパチーの遺伝学的診断とカウンセリングを可能にし、セレン状態や抗酸化経路など代謝学的サポートの検討を促します。将来的にはセレノ蛋白質合成の調節を目指した治療の開発が期待されます。
なぜ重要か
セレノシステイン代謝の新たな先天異常を機序的に確立し、代謝・内分泌系とも関連するヒトのセレノ蛋白質生物学を拡張するためです。
限界
- 稀少疾患の症例集積に伴うサンプルサイズの小ささ
- 治療介入データは乏しく、治療戦略は現時点で仮説段階
今後の方向性
組織特異的なセレノ蛋白質低下の解明、モデルでの代謝的・遺伝子治療介入の検討、試験エンドポイント策定のための自然歴研究が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- IV - 複数症例に機序的検証を加えたが、対照介入はない
- 研究デザイン
- OTHER