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切除不能・非転移性肝細胞癌に対するTACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法と二重プラセボの比較(LEAP-012):多施設共同、無作為化二重盲検、第3相試験

Lancet (London, England)2025-01-12PubMed
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9

概要

第3相LEAP-012試験では、TACEにレンバチニブ+ペムブロリズマブを追加することで、切除不能・非転移性HCCにおいて無増悪生存期間が延長しました(中央値14.6か月 vs 10.0か月、HR 0.66、片側p=0.0002)。全生存期間は24か月時点で好ましい傾向を示し、併用群では有害事象が多く発生しました。

主要発見

  • TACE+レンバチニブ+ペムブロリズマブは、TACE+プラセボに比べ無増悪生存期間を延長しました(中央値14.6か月 vs 10.0か月、HR 0.66、片側p=0.0002)。
  • 24か月全生存率は75% vs 69%(HR 0.80、片側p=0.087)で、統計学的有意差には至らないものの好ましい傾向でした。
  • グレード3以上の治療関連有害事象は71% vs 32%で、高血圧と血小板減少が多く、治療関連死亡は2% vs <1%でした。

臨床的意義

追跡延長で全生存期間の有意差が確認されれば、Child-Pugh Aの切除不能・非転移性HCCにおける新たな標準治療となり得ます。高血圧などの毒性管理が重要です。

なぜ重要か

大規模かつ二重盲検の多施設第3相試験として、標準局所治療であるTACEに全身療法(レンバチニブ+ペムブロリズマブ)を併用する有効性を高いエビデンスで示しました。

限界

  • 中間解析時点で全生存期間の有意差は未達であり、追跡延長が必要です。
  • 併用群で毒性が高く、対象がChild-Pugh Aに限られるため汎用性に制約があります。

今後の方向性

成熟したOS解析、バイオマーカーに基づく患者選択、毒性低減戦略、費用対効果評価が実装の鍵となります。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化二重盲検の第3相試験
研究デザイン
OTHER