Pan-PPAR作動薬lanifibranorはT2D合併MASLD患者のインスリン抵抗性と肝脂肪化を改善する
総合: 77.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
無作為化プラセボ対照第II相試験(n=38)で、lanifibranorはIHTGを約44–50%低下させ、プラセボの12–16%を上回りました。≥30%低下達成は65–79%、脂肪肝消失は25%でした。肝・末梢のインスリン感受性が改善し、アディポネクチンは2.4倍に上昇、心代謝指標も改善しました。体重は+2.7%増、有害事象は軽度でした。
主要発見
- LanifibranorはIHTGを約44–50%低下(プラセボ12–16%)、脂肪肝消失は25%(プラセボ0%)。
- 肝・末梢のインスリン感受性が改善(内因性糖産生の低下、インスリン刺激時Rdの上昇)。アディポネクチンは2.4倍に上昇。
- 二次的代謝指標(空腹時血糖、インスリン、HOMA-IR、HbA1c、HDL-C)が改善。体重は+2.7%増、有害事象は軽度。
臨床的意義
Lanifibranorは、減量以外の手段としてT2D合併MASLDのインスリン抵抗性と脂肪肝を標的とし得ます。体重増加や血液学的変化のモニタリングが必要です。
なぜ重要か
T2D合併MASLDで肝脂肪の大幅な低下と多組織のインスリン感受性改善を示し、pan-PPAR作動薬が疾患修飾的戦略となり得ることを支持します。
限界
- 単施設・少数例(n=38)・24週間追跡であり、一般化と長期推論に制約
- 体重増加やヘモグロビン低下など安全性の長期評価が必要
今後の方向性
組織学的NASH/MASH指標、心腎アウトカム、減量薬との併用を検証する大規模多施設第III相試験が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 単施設の無作為化プラセボ対照第II相臨床試験
- 研究デザイン
- OTHER