2型糖尿病の寛解を目的としたダパグリフロジン併用カロリー制限:多施設二重盲検無作為化プラセボ対照試験
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
2型糖尿病成人328例において、ダパグリフロジン併用カロリー制限は12か月時の寛解率を44%に高め、カロリー制限単独の28%を上回りました。体重やHOMA-IRの低下、代謝リスクの改善もより大きく、安全性に差は認められませんでした。
主要発見
- 12か月時の寛解率:ダパグリフロジン併用+カロリー制限44% vs カロリー制限単独28%(RR 1.56, 95% CI 1.17–2.09)。
- 体重(−1.3 kg)とHOMA-IR(差 −0.8)の低下が併用群で有意に大きい。
- 体脂肪、収縮期血圧、代謝リスク因子がより改善し、有害事象の増加は認められない。
臨床的意義
過体重・肥満の早期2型糖尿病患者では、寛解志向の治療としてSGLT2阻害薬併用と体系的なカロリー制限を検討し、個別化と慎重なモニタリングを行うべきです。
なぜ重要か
本RCTは、現代の糖尿病診療の中心目標である寛解達成に向け、薬理学的介入を加えた実践的な食事戦略の有効性を示しました。
限界
- 中国での実施であり、他人種・他地域への一般化には検証が必要
- 追跡12か月のため寛解の持続性評価に限界がある
今後の方向性
寛解の持続性、費用対効果、微小・大血管合併症、患者選択の最適化を評価する長期・多国籍試験が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 無作為化・二重盲検・プラセボ対照の臨床試験
- 研究デザイン
- OTHER