睡眠障害・睡眠行動を有する成人における非薬物的睡眠介入の血糖指標への効果:系統的レビューとメタ解析
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
24研究を対象とした系統的レビュー/メタ解析では、CBT-Iやスリープハイジーンが特に2型糖尿病においてHbA1cを有意かつ臨床的に意味のある程度低下させることが示された。一方、睡眠延長のエビデンスは限定的で不均質であった。結果は、糖尿病診療への睡眠評価と治療の統合を支持する。
主要発見
- 24研究(CBT-I/スリープハイジーン15、睡眠延長9)を通じ、CBT-I/スリープハイジーンはHbA1cを有意に低下させ、2型糖尿病で臨床的に意味のある効果を示した。
- MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochraneの包括的検索とPROSPERO登録(CRD42022376606)により方法論の透明性が担保された。
- 睡眠延長のエビデンスは限定的かつ不均質であり、効果は介入の忠実度やベースラインの睡眠負債に依存する可能性がある。
臨床的意義
糖尿病診療で不眠や睡眠不足をスクリーニングし、標準治療に加えてCBT-Iやスリープハイジーンを提供することでHbA1cの改善が期待できる。睡眠医療や行動療法との多職種連携が望ましい。
なぜ重要か
行動学的睡眠介入がHbA1cを低下させ得ることを定量的に示し、非薬物療法による血糖管理の選択肢を拡大する。
限界
- 介入内容や集団の不均質性が大きく、一部研究の質に関する報告が要約からは不十分
- 出版バイアスの可能性や追跡期間が短い研究が含まれる
今後の方向性
標準化された血糖アウトカムとアクチグラフで検証された睡眠改善を伴うCBT-Iと能動対照の直接比較試験、大規模実装研究により糖尿病診療経路への睡眠ケア統合を評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 介入研究の系統的レビューおよびメタ解析
- 研究デザイン
- OTHER