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甲状腺ホルモン活性化は乳がんと間葉系幹細胞のクロストークを制御する

Frontiers in bioscience (Landmark edition)2025-01-25PubMed
総合: 77.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

乳がん細胞はD2を介した細胞内甲状腺ホルモン活性化を高め、EMT特性とMSCとの腫瘍促進的クロストークを増強しました。D2の遺伝学的不活化により浸潤性とMSC誘導効果が低下し、共培養および乳管内モデルの結果からD2が有望な治療標的として示唆されます。

主要発見

  • MCF7乳がん細胞はDIO2による細胞内甲状腺ホルモン活性化を高め、EMT特性を促進した。
  • DIO2不活化により浸潤性が低下し、MSC介在の腫瘍促進誘導に対する応答性も減弱した。
  • 一次ヒトMSCとの共培養と乳管内(MIND)in vivo手法により、腫瘍—間質クロストークにおけるD2の役割が支持された。

臨床的意義

in vivoおよび臨床で検証されれば、D2阻害はホルモン感受性乳がんのEMTや間質の腫瘍促進シグナルを抑制し得ます。腫瘍管理では甲状腺機能やTH活性化の考慮が必要となる可能性があります。

なぜ重要か

内分泌シグナルをがん進展に結び付ける酵素D2が腫瘍—間質対話と浸潤性のスイッチであることを示し、創薬可能な標的を提示します。

限界

  • 前臨床段階であり、D2阻害の臨床的有用性・安全性は未検証。
  • 主にER陽性細胞株の文脈での結果であり、乳がんサブタイプ全体への一般化は不確実。

今後の方向性

直腸内・転移モデルでのD2阻害薬の評価、EMTと間質シグナル回路の解明、患者選択に向けたバイオマーカー戦略の検討が求められます。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 創薬可能酵素を同定した共培養・乳管内in vivoの前臨床機序研究。
研究デザイン
OTHER