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アルドステロン産生腺腫に対する内視鏡的超音波ガイド下ラジオ波焼灼術(FABULAS):英国多施設前向き概念実証試験

Lancet (London, England)2025-02-11PubMed
総合: 86.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9

概要

左側APAに対しEUS-RFAを実施した28例(35セッション)で、事前規定の重篤有害事象は認めませんでした。PET-CT陽性結節は全例で標的化でき、放射性集積の局所低下を伴い、75%が生化学的完全/部分寛解、6カ月で43%が高血圧の臨床的寛解を達成しました。選択例における外科的副腎摘除の低侵襲代替となる可能性を示します。

主要発見

  • 35回のEUS-RFAで、胃・副腎穿孔、出血、主要臓器梗塞などの規定重大ハザードは発生しませんでした。
  • PET-CT陽性結節は全例で穿刺・焼灼可能で、3カ月時に局所的な集積低下を確認しました。
  • 6カ月で生化学的完全/部分寛解を75%が、臨床的(高血圧)寛解を43%が達成し、一部は降圧薬不要の正常血圧を得ました。
  • 左側APAに対する全摘に代わる副腎温存の低侵襲治療となり得ます。

臨床的意義

左側APAでAVSや副腎摘除を望まない/適応外の患者に対し、専門施設でのEUS-RFAは安全かつ生化学・血圧改善が期待できる選択肢となり得ます。一般化には無作為比較試験と長期追跡が必要です。

なぜ重要か

AVSや副腎摘除を回避し得る低侵襲・副腎温存治療を概念実証し、原発性アルドステロン症の治療戦略を変え得る可能性があるため重要です。

限界

  • 無作為化対照のない小規模概念実証試験であること
  • 胃近傍の左側病変に限定され、右側病変への一般化は不明
  • 追跡期間が短く(画像3カ月、臨床6カ月)、複数セッションを要した例もある

今後の方向性

EUS-RFAと副腎摘除の無作為比較試験、右側病変への適用、エネルギー投与最適化、長期の生化学的・心血管アウトカムの持続性評価が求められます。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
治療
エビデンスレベル
III - 前向き・非無作為化の介入型概念実証試験
研究デザイン
OTHER