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FSHおよびセルトリ細胞バイオマーカーは先天性性腺刺激ホルモン分泌低下症と自然軽快性思春期遅発を高精度で鑑別する

The Journal of clinical endocrinology and metabolism2025-02-11PubMed
総合: 77.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

遅発思春期の男子65例の前向き検討で、FSH・AMH・インヒビンBはLH・テストステロンより鑑別能が高く、FSH×インヒビンB<92およびFSH×AMH<537は感度>93%、特異度≥92%、陽性的中率・陰性的中率>92%、LR+>12を示し、警戒所見がない症例でも高性能を維持しました。

主要発見

  • 基礎時のFSH・AMH・インヒビンBは、LH・テストステロンよりも診断効率が高かった。
  • FSH(IU/L)×インヒビンB(ng/mL)<92およびFSH(IU/L)×AMH(pmol/L)<537で、CHHの感度>93%、特異度≥92%、的中率>92%、LR+>12を達成。
  • 小陰茎、停留精巣、精巣萎小などの警戒所見を除外しても高い診断性能を維持。
  • 最終診断(18歳または精巣体積4 mL到達から4年以上)まで前向きに追跡。

臨床的意義

基礎時のFSH×インヒビンBまたはFSH×AMH閾値を用いることで、刺激試験の削減や診断迅速化が可能となり、CHHには早期治療、SLDPには経過観察といった適切な対応に資します。

なぜ重要か

思春期内分泌診療で頻出かつ重要な鑑別課題に対し、高精度かつ簡便な基礎バイオマーカーを提示した点で意義が大きい。

限界

  • 症例数が比較的少なく(n=65)、多様な集団での外部検証が必要
  • 対象は思春期男子のみで、女性や他年齢層への一般化は未確立

今後の方向性

多民族・大規模コホートでの閾値検証、刺激試験との費用対効果評価、診断アルゴリズムや意思決定支援ツールへの実装が望まれます。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
診断
エビデンスレベル
III - 縦断的確証を伴う前向きネスト型症例対照研究
研究デザイン
OTHER