時間相リン酸化プロテオミクスによりインスリンシグナルの段階的伝播回路が明らかにされた
総合: 82.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 8
概要
ヒト骨格筋ミオチューブの時間分解リン酸化プロテオミクスにより約1.3万部位をマップし、インスリン応答で異なる細胞内経路が段階的に活性化・不活化されることを示した。ネットワーク解析で非典型的結節点を同定し、スプライソソームのリン酸化が急性の選択的スプライシングと関連することを明らかにした。
主要発見
- インスリン刺激ヒトミオチューブで約1.3万のリン酸化ペプチドを時間追跡した。
- インスリンシグナルで時間相的かつ重なりの少ない経路の活性化・不活化が明らかになった。
- PPI統合ネットワーク解析により非典型的シグナル候補と伝播のキー結節点を同定した。
- 前触媒性スプライソソームのリン酸化がヒト骨格筋での急性選択的スプライシングと関連した。
臨床的意義
治療的にインスリン応答を微調整し得る候補結節点と時間窓を特定し、インスリン抵抗性におけるスプライソソーム調節という新たな軸を示唆する。
なぜ重要か
ヒト骨格筋におけるインスリンシグナルの時間的アトラスを提供し、シグナル動態をRNAプロセシングへ結び付け、代謝疾患研究の標的を拡張する。
限界
- in vitroのミオチューブモデルであり、生体内の全身性複雑性や内分泌環境を反映しない。
- 多数の候補結節点の生体内機能検証は今後の課題。
今後の方向性
主要結節点とスプライソソーム連関をin vivoで検証し、インスリン抵抗性や2型糖尿病筋での時間相シグナル変化をマップする。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 一次ヒト細胞での機序的オミックス研究であり、臨床転帰は評価していない。
- 研究デザイン
- OTHER