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POMC満腹ニューロン由来の視床オピオイドが砂糖嗜好を起動する

Science (New York, N.Y.)2025-02-13PubMed
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9

概要

視床下部POMC満腹ニューロンは、視床室傍核への投射でμオピオイド受容体依存的に後シナプス神経を抑制し、満腹時の砂糖嗜好を促進する。砂糖摂取時に本回路が選択的に作動し、その抑制で高糖食摂取が低下した。

主要発見

  • POMCニューロンは満腹を促す一方で砂糖嗜好も起動する。
  • POMC→視床室傍核投射がμオピオイド受容体シグナルを介して後シナプス神経を抑制する。
  • 満腹時の砂糖摂取で当該視床オピオイド回路が強く作動する。
  • 本回路の抑制により満腹マウスの高糖食摂取が減少する。

臨床的意義

前臨床段階ながら、POMCニューロン下流の視床室傍核におけるμオピオイドシグナルは、食欲全体を抑えずに砂糖過剰摂取を抑制する治療標的となり得る。高糖食品摂取を低減する神経調節・薬理学的戦略の設計に資する。

なぜ重要か

満腹シグナルと快楽的砂糖摂取を結ぶ未知のオピオイド微小回路を解明し、食後のデザート摂取の機序と肥満介入の新規標的の可能性を示す。

限界

  • マウスでの知見であり、人への外的妥当性は今後の検証が必要。
  • 砂糖以外の快楽的栄養(脂質など)に対する特異性は要精査。

今後の方向性

肥満モデルやヒトの画像・神経調節研究で視床μオピオイドシグナルの薬理学的調節を検証し、栄養特異性や他の報酬回路との相互作用を解明する。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 動物モデルにおける前臨床の機序的エビデンスであり、臨床転帰は未検証。
研究デザイン
OTHER