メインコンテンツへスキップ

甲状腺眼症におけるテプロツムマブの有効性と安全性:系統的レビューとメタアナリシス

Endocrine practice : official journal of the American College of Endocrinology and the American Association of Clinical Endocrinologists2025-02-15PubMed
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

RCT4件(テプロツムマブ210例、対照193例)および観察研究6件の統合解析で、テプロツムマブはプラセボに対して眼球突出、複視、CASを有意に改善し、大きな突出減少を示しました。一方で有害事象・重篤有害事象の頻度は高く、慎重なモニタリングとベネフィット・リスク評価が必要です。

主要発見

  • RCT(テプロツムマブ210例・対照193例)で、突出反応(RR 4.18)、複視改善(RR 2.29)、CAS(RR 3.09)がプラセボより有意に優れていました。
  • 眼球突出の減少は顕著でした(標準化平均差 −8.38)。
  • 有害事象および重篤有害事象の頻度はテプロツムマブで高く、観察研究ではAE発生率約0.78、重篤AE約0.31でした。

臨床的意義

活動期中等度〜重症の甲状腺眼症において第一選択薬として検討可能です。高血糖や聴覚変化などの有害事象について十分な説明と系統的モニタリングを行い、特に糖尿病合併や耳科リスクのある患者では共同意思決定が重要です。

なぜ重要か

IGF-1R阻害の臨床的有効性を高いレベルで確認するとともに安全性リスクを定量化し、第一選択治療の検討に資するためです。

限界

  • 既治療歴・疾患活動性・投与スケジュールが研究間で不均一
  • 安全性追跡期間が限られ、長期の再燃や有害事象の経過は不確実

今後の方向性

長期安全性・有効性のレジストリ、他の免疫調節薬との直接比較試験、有害事象軽減戦略(例:代謝異常のモニタリング体制)の検討が必要です。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化比較試験を含むメタアナリシスであり、最高水準の臨床エビデンス。
研究デザイン
OTHER