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肝特異的CYP7B1トランスジェニック発現は西洋食誘発性MASLDの早期進行を抑制する

Journal of lipid research2025-02-15PubMed
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8

概要

オキシステロール7α-水酸化酵素CYP7B1は、マウスモデルおよびヒトコホートのMASLDで一貫して低下し、生理活性オキシステロールの蓄積を来します。肝特異的CYP7B1過剰発現はWestern食下でのMASLD早期進行を抑制し、オキシステロール解毒経路が治療標的となり得ることを示唆します。

主要発見

  • CYP7B1発現は複数のマウスモデルおよびヒトコホートのMASLDで一貫して低下している。
  • CYP7B1低下により26HCや25HCなど生理活性オキシステロールが蓄積する。
  • 肝特異的CYP7B1過剰発現は、西洋食誘発性MASLDの早期進行をマウスで抑制した。

臨床的意義

前臨床段階ながら、オキシステロール代謝(例:CYP7B1活性増強)を標的とした治療開発や、26HC/25HCプロファイリングによる患者層別化の可能性を示唆します。

なぜ重要か

承認された疾患修飾薬が乏しいMASLDに対し、変更可能な代謝経路(CYP7B1–オキシステロール軸)を提示し、治療応用の可能性を示すからです。

限界

  • 前臨床の動物研究であり、ヒトでの有効性・安全性は未検証
  • 早期MASLD中心で、進行線維化やNASH寛解への影響は不明

今後の方向性

CYP7B1活性を高める低分子/抗体や病的オキシステロール低減薬の開発、オキシステロールバイオマーカーの検証、組織学的・代謝指標を用いた早期臨床試験への展開が必要です。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - トランスジェニックマウスによる前臨床の機序的証拠(ヒト観察データで補強)。
研究デザイン
OTHER