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肥満に対する新規薬物療法:系統的レビュー

Pharmacological reviews2025-02-15PubMed
総合: 83.0革新性: 8インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9

概要

新規抗肥満薬の第2/3相試験53件を整理し、インクレチン系薬の台頭と第2相での平均体重減少7.4〜24.2%を示しました。現時点で第3相を完了したのは経口セマグルチド50 mgのみで、GLP-1系併用を含む多数の第3相試験が進行中です。長期安全性や死亡・心腎アウトカム、代表性の乏しい集団でのデータが不足しています。

主要発見

  • 第2/3相試験53件を同定し、36の新規薬剤・併用を確認、4試験は中止・終了でした。
  • インクレチン系薬が主流で、第2相では平均体重減少7.4〜24.2%が報告されました。
  • 第3相を完了したのは経口セマグルチド50 mgのみで、CagriSema、mazdutide、retatrutide等の14件の第3相が進行中です。
  • 長期安全性、死亡・心腎代謝アウトカム、費用対効果、医療アクセスの格差といった重要なエビデンスギャップが残っています。

臨床的意義

強力なインクレチン系レジメンの普及を見据え、個別化した薬剤選択と消化器症状等の有害事象管理、長期の体重維持戦略を準備すべきです。一方で、死亡・心腎アウトカムに関するエビデンスギャップを認識する必要があります。

なぜ重要か

肥満は内分泌・代謝疾患の中心的ドライバーであり、本レビューは後期開発段階の薬剤群を俯瞰し、臨床と研究の双方に直結する最新の知見を提供します。

限界

  • 試験間の異質性が高く、定量統合や薬剤間比較に制約
  • 長期アウトカム(死亡・心腎イベント)と代表性に乏しい集団のデータが不足

今後の方向性

直接比較試験、心腎・死亡アウトカムを含む長期追跡、実臨床下での有効性・費用対効果研究、代表性の乏しい集団の積極的組み入れが求められます。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 第2/3相介入試験の系統的レビュー(利用可能データに対する最上位の統合証拠)。
研究デザイン
OTHER