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Fam172aは視床下部オキシトシン神経の活性化を介して肥満誘発性不安を抑制する

Advanced science (Weinheim, Baden-Wurttemberg, Germany)2025-02-17PubMed
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8

概要

マウスで視床下部室傍核オキシトシン神経の活性化は肥満誘発性不安様行動を軽減し、抑制は悪化させた。不安感受性遺伝子Fam172aは同神経で高発現し、高脂肪食やストレスで低下。核内Argonaute2とmRNA分解を調節してオキシトシン分泌を制御し、過剰発現で不安様行動を改善、欠失で悪化させた。

主要発見

  • 室傍核オキシトシン神経の活性化は肥満誘発性不安様行動を改善し、抑制は悪化させた。
  • Fam172aは室傍核オキシトシン神経で高発現するが、高脂肪食や急性ストレスで低下した。
  • Fam172aはArgonaute2の核内輸送を調節し、mRNA分解とオキシトシン分泌に影響した。
  • Fam172aの過剰発現で不安様行動は改善し、欠失で悪化した。

臨床的意義

前臨床ではあるが、オキシトシンシグナルおよびFam172aを肥満関連不安の治療標的候補として提示し、神経内分泌回路に関するバイオマーカー開発とヒトでの橋渡し研究を促します。

なぜ重要か

Fam172aを介したオキシトシン神経調節という新規の神経内分泌機序で肥満と不安を結び、代謝・精神健康の接点における創薬標的の可能性を提示するため重要です。

限界

  • 結果はマウスに限定され、ヒトでの外的妥当性や周辺バイオマーカーは未検証
  • 行動表現型と回路特異性はヒト不安障害の複雑性を十分に反映しない可能性

今後の方向性

肥満関連不安を有するヒトでFam172aおよびオキシトシン経路のマーカーを検証し、選択的モジュレーターや遺伝子治療の開発、神経調節による因果検証を行う。

研究情報

研究タイプ
基礎・機序研究(動物)
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - マウスでの神経操作を用いた前臨床の機序研究
研究デザイン
OTHER