肥満に対する腹腔鏡下ルーワイ胃バイパスと腹腔鏡下スリーブ状胃切除の長期成績:SM-BOSSランダム化臨床試験
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
本多施設RCT(n=217、追跡10年以上)では、PP解析でRYGBがSGより過剰BMI減少率に優れ、新規GERDが少なく、解剖学的コンバージョンも著しく少なかった。ITTでは%EBMIL差は有意でなく、総体重減少率は両群で同程度であった。
主要発見
- 10年以上のPP解析で%EBMILはRYGBがSGより優れた(65.9%対56.1%、P=0.048)。
- SGは不十分な減量や逆流によりコンバージョン率が高かった(29.9%対5.5%、P<0.001)。
- 新規GERDはSGで多く(P=0.02)、総体重減少率は類似した(27.7%対25.5%、P=0.37)。
臨床的意義
逆流制御と長期耐久性を重視する患者にはRYGBを優先検討すべきであり、SGの候補者には新規GERDや長期のコンバージョンリスクの高さを十分に説明する必要がある。
なぜ重要か
代謝外科における術式選択を導く希少な長期ランダム化比較データであり、GERDやコンバージョンリスクに関する患者説明に直結する。
限界
- 10年時点の追跡完遂率が65.4%と不完全で、脱落バイアスの可能性
- 長期の主解析(ITT)での%EBMIL差は統計学的有意差を示さなかった
今後の方向性
GERDの有無、糖尿病寛解の持続性、栄養学的転帰で層別化した直接比較試験を行い、標準化された逆流指標と患者報告アウトカムを含めるべきである。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 長期追跡を伴うランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER