MASH治療におけるビタミンE(300 mg):多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
非糖尿病・生検確定MASH 124例を対象とした多施設二重盲検RCTで、ビタミンE 300 mg/日投与は主要な組織学的エンドポイントをプラセボより有意に改善し、脂肪化・小葉炎症・線維化の段階も改善しました。治療関連の重篤有害事象は認められませんでした。
主要発見
- 主要評価項目である肝組織改善はビタミンE群29.3%、プラセボ群14.1%(修正版ITT)でした。
- 脂肪化、小葉炎症、線維化の段階がビタミンE群で有意に改善しました。
- 重篤有害事象は12件発生しましたが、治療関連とは判断されませんでした。
臨床的意義
生検で確定したMASHの非糖尿病成人において、生活習慣介入と併用しつつビタミンE 300 mg/日の補助的選択肢として検討可能です。広範な追試と長期転帰の確認が普及前に必要です。
なぜ重要か
有効な薬物治療が限られるMASHにおいて、広く利用可能な低用量ビタミンEで有意な組織学的改善を示した点で重要です。高用量ビタミンEが前提だった従来の用量設定にも再考を促します。
限界
- 単一国(中国)の集団であり、一般化可能性に限界があります。
- 非糖尿病患者のみで、糖尿病患者への外挿は不明です。
- 症例数が比較的少数(n=124)で組織学的評価中心。長期の臨床アウトカムは抄録では示されていません。
今後の方向性
糖尿病患者を含む多民族・大規模コホートでの再現性検証、組織学的反応の持続性、非侵襲バイオマーカー、臨床的ハードアウトカム(肝不全、肝癌、死亡)の評価が必要です。用量反応・併用療法の検討も望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験で、生検に基づく評価項目。
- 研究デザイン
- OTHER