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アジア系インド人家族における複数の2型糖尿病候補遺伝子の稀な非コード変異の過剰

Communications medicine2025-02-23PubMed
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

パンジャブ系シク家系のターゲットシーケンスにより、KCNJ11-ABCC8およびHNF4Aの稀少/超稀少変異が晩発性T2Dと共分離し、SLC38A11とANPEPに稀少変異の集積が示された。遺伝子バーデンはHNF4A(p=0.0003)、KCNJ11/ABCC8(p=0.0061)、SLC38A11(p=0.03)の順に強かった。T2Dと稀少変異の負荷が高い一方でPRSは低く、ABCC8イントロンの制御変異がPax4とNF-κB結合を変化させる機能的影響が示された。

主要発見

  • KCNJ11-ABCC8およびHNF4Aの稀少・超稀少変異が、シク家系で晩発性T2Dと共分離した。
  • SLC38A11とANPEPに稀少変異の集積を同定し、遺伝子バーデンはHNF4A(p=0.0003)、KCNJ11/ABCC8(p=0.0061)、SLC38A11(p=0.03)の順に強かった。
  • T2Dの有病率と稀少変異負荷が高いにもかかわらず、家族の多遺伝子リスクスコアは有意に低かった。
  • 機能解析で、ABCC8イントロンの制御変異がPax4およびNF-κBの結合を変化させ、下流の遺伝子調節に影響することを示した。

臨床的意義

南アジア集団における遺伝リスク評価の個別化、晩発性T2DにおけるMODY遺伝子の稀少変異の考慮、PRS単独のリスク過小評価の可能性を示唆。将来のスクリーニング戦略や治療標的探索に資する。

なぜ重要か

アジア系インド人家族におけるT2Dリスクの主要因として、非コード稀少変異を中心とするオリゴ遺伝的構造を示し、機能的妥当性を伴う祖先集団に配慮した精密ゲノミクスの重要性を強調する。

限界

  • 解析は10のGWAS/候補領域に限定され、他の座位を見逃す可能性がある
  • サブグループのサンプルサイズや正確な数が抄録では十分に明示されていない
  • 対象とした内婚集団以外への一般化には追加の検証が必要

今後の方向性

南アジアの多様な集団でゲノム/エクソーム規模の解析を拡大し、非コード変異の機能解析をスケール化。稀少変異とPRSを統合した祖先集団対応のリスクモデルを開発する。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - 家系ベースの観察的シーケンスに追試と機能解析を加えた研究
研究デザイン
OTHER