ヘム代謝はミトコンドリア酸化的リン酸化を介してRANKL誘導性破骨細胞形成を制御する
Journal of bone and mineral research : the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research•2025-03-13•PubMed
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
RANKL誘導性破骨細胞形成ではヘム生合成が上昇し、ミトコンドリア機能と膜電位を支える。ヘム生合成の遺伝学的(Ferrochelatase抑制)および薬理学的(N-methyl Protoporphyrin IX)阻害は破骨細胞分化を抑え、卵巣摘出マウスの骨量減少を防御し、ヘム代謝を薬剤標的として提示する。
主要発見
- RANKL誘導性破骨細胞形成でミトコンドリア生合成と膜電位が上昇する。
- ヘム合成・代謝経路が段階的な遺伝子発現パターンで活性化する。
- FerrochelataseノックダウンやNMPPにより破骨細胞分化が用量依存的に抑制される。
- NMPP単回投与で卵巣摘出マウスの骨量減少が防止される。
- ヒトデータでヘム関連遺伝子と骨密度の関連が示唆される。
臨床的意義
ヘム生合成を骨粗鬆症など高回転性骨疾患の治療標的として位置づけ、骨特異的送達を伴う選択的ヘム経路阻害薬の開発を後押しする。
なぜ重要か
破骨細胞形成に必須な代謝要件を新たに示し、ヘム経路阻害によるin vivoでの抗骨吸収効果を実証した。
限界
- 前臨床段階であり、ヘム経路阻害薬の安全性・オフターゲット・臨床用量は未検証
- ヒトドナー数が少なく、ex vivo検証の一般化に限界がある
今後の方向性
選択的かつ骨指向性のヘム経路調節薬の開発、大動物モデルおよび初期臨床試験での安全性・有効性評価、患者層別化バイオマーカーの探索。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - in vitro/ex vivo系とマウスモデルによる前臨床機序研究
- 研究デザイン
- OTHER