SIRT5はTBK1の脱スクシニル化を介して霊長類骨格筋の加齢を防御する
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
霊長類骨格筋では加齢とともにSIRT5発現が低下します。SIRT5はTBK1(K137)を脱スクシニル化し、炎症シグナルを抑制して機能を維持します。SIRT5遺伝子治療はマウスで身体機能を改善し、加齢性筋機能障害を軽減しました。
主要発見
- 霊長類の高齢骨格筋ではSIRT5発現が両性で低下している。
- TBK1はSIRT5の基質であり、K137の脱スクシニル化によりTBK1リン酸化と下流炎症シグナルが低下する。
- ヒト筋管細胞でSIRT5欠損は老化と炎症を加速する。
- 骨格筋標的のSIRT5遺伝子治療はマウスで身体機能を改善し、加齢関連機能障害を軽減する。
臨床的意義
前臨床段階ですが、SIRT5–TBK1経路の標的化はサルコペニアやフレイルの予防・治療介入の開発に繋がる可能性があります。
なぜ重要か
筋老化を制御するSIRT5–TBK1の翻訳後修飾軸を新規に提示し、治療標的としての実現可能性を示しました。
限界
- 前臨床モデルでありヒト介入データがない
- 遺伝子治療の効果は雄マウスでの検証が中心で性差の検証が今後必要
今後の方向性
SIRT5の薬理学的制御、TBK1スクシニル化/脱リン酸化の橋渡しバイオマーカーの開発、サルコペニアを標的とした早期臨床試験の実施が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - in vitroおよびin vivoモデルによる前臨床機序研究
- 研究デザイン
- OTHER