空腹時インスリンに関連する遺伝子変異および形質の心血代謝アウトカムに及ぼす不均一な効果
総合: 86.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9
概要
FI関連変異は7つの機序クラスターに分かれ、T2Dおよび心血管アウトカムへの関与が異なりました。「糖尿病性」クラスター由来のポリジーンスコアは冠動脈疾患・心筋梗塞・脳卒中リスクに差を示し、内臓脂肪クラスターではT2D非合併男性で心筋梗塞リスクの性差が認められました。FI上昇と疾患リスクの一様な関係を解体し、機序別リスク層別化を可能にします。
主要発見
- FI関連遺伝子は7つの機序クラスターに分類された。
- 非糖尿病性と糖尿病性の高インスリン血症に二分された。
- 110万人超の集団で、クラスター別ポリジーンスコアは冠動脈疾患・心筋梗塞・脳卒中リスクに差を示した。
- 内臓脂肪クラスターはT2D非合併男性で心筋梗塞リスクの性差効果を示した。
- FI上昇とT2D・心血管リスクは機序により乖離し得ることが示された。
臨床的意義
予防・リスク評価では、空腹時インスリン単独ではなく、内臓脂肪や炎症など機序別フェノタイプとクラスター別ポリジーンスコアを統合することが有用です。
なぜ重要か
多民族大規模ゲノム解析によりインスリン抵抗性の不均一性を再定義し、心代謝疾患に対するクラスター別リスク指標を提示しました。
限界
- 観察的遺伝学デザインであり全ての経路で因果関係は確立できない
- 表現型定義やコホート登録の不均質性が影響し得る
今後の方向性
クラスター別PRSを臨床リスクツールに統合し、(脂肪分布や炎症など)標的経路に合わせた精密予防介入試験で検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 複数コホートにおける大規模観察的遺伝学解析
- 研究デザイン
- OTHER