細胞内脂肪分解阻害因子G0S2の欠損は血管内トリグリセリド除去を高め、食餌誘発性高トリグリセリド血症を消失させる
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
G0S2欠損は白色脂肪組織由来のLPL濃度・活性を高め、全身のトリグリセリド除去を促進して食餌誘発性高トリグリセリド血症を消失させ、動脈硬化形成を抑制しました。G0S2欠損WAT移植も高TG血症を正常化し、脂肪細胞G0S2が細胞内・血管内脂肪分解の協調制御を担う創薬標的であることを示します。
主要発見
- G0S2欠損は全身のTGクリアランスを促進して食餌誘発性高TG血症を消失させ、アテローム形成を軽減した。
- 循環LPL濃度・活性の増加は白色脂肪組織に由来し、G0S2欠損WAT移植で血漿TGが正常化した。
- G0S2欠損はインスリン感受性を改善し、ANGPTL4を低下、脂肪細胞LPL蛋白の安定性を高め、ATGL阻害で可逆的であった。
臨床的意義
G0S2の薬理学的阻害や脂肪組織LPLの安定性・活性を高める戦略は、トリグリセリド低下と動脈硬化リスク軽減の新規治療となり得ます。
なぜ重要か
脂肪細胞G0S2がATGL活性とLPL依存の全身TGクリアランスを結ぶ要所であることを明らかにし、高トリグリセリド血症や動脈硬化に対する高いトランスレーショナル可能性を示しました。
限界
- 前臨床(マウス)段階であり、G0S2標的化のヒトでの有効性・安全性検証が必要。
- 脂肪分解調節の長期的影響やオフターゲット代謝影響の評価が今後の課題。
今後の方向性
選択的G0S2阻害薬を開発し、大動物モデルでのTG低下効果と血管アウトカムを評価。重症高TG血症患者集団での早期臨床応用を検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- IV - 移植検証を含むマウス前臨床機序研究の症例集積レベル。
- 研究デザイン
- OTHER