先天性高インスリン血症に対するインスリン受容体抗体RZ358(ersodetug)の多施設反復投与第2相試験
総合: 80.5革新性: 9インパクト: 9厳密性: 7引用可能性: 8
概要
グローバル非盲検第2相b試験(n=23)において、追加投与ersodetugは用量比例の薬物動態と良好な安全性を示し、低血糖イベント(中央値−59%)および低血糖時間(中央値−54%)を顕著に減少させ、6–9 mg/kgではイベント48–84%の減少を示した。夜間低血糖の改善も確認され、ほぼ全例で反応が得られた。
主要発見
- 全用量群で低血糖イベントは中央値59%減(p<0.001)、低血糖時間は54%減(p<0.001)。
- 6–9 mg/kgでは低血糖イベント48–84%減、低血糖時間61–65%減(p<0.05)。
- 用量比例の薬物動態を示し、死亡・薬剤有害反応・中止・用量制限毒性は認めなかった。
臨床的意義
ersodetugはcHIに対する遺伝型非依存の治療となり得て、膵頭切除などの外科介入や適応外薬への依存を減らし、夜間を含む血糖管理の安全性向上に寄与し得る。
なぜ重要か
INSRを標的とする初の抗体が、遺伝子背景を問わず先天性高インスリン血症における低血糖を臨床的に有意に減少させ、未充足ニーズに応えうることを示したため重要である。
限界
- 対照群のない非盲検・非無作為化デザイン
- 投与期間が8週間と短く、長期安全性と持続効果の評価が限定的
今後の方向性
長期追跡を伴うランダム化比較試験により、有効性の持続性・安全性・遺伝子型別反応性・既存治療との併用戦略を評価することが望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 無作為化のない前向き介入第2相bコホート
- 研究デザイン
- OTHER