miR-223/STAT3軸により制御される好中球セリンプロテアーゼNEおよびPR3はMASHと肝線維化を増悪させる
総合: 85.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
ヒトMASH肝ではNE/PR3が有意に増加し、組織学的重症度と相関しました。NE/PR3の遺伝子欠失やAAVによる阻害はマウスの脂肪性肝炎・線維化を軽減。miR-223はSTAT3を介してNE/PR3を抑制し、欠失で病勢は増悪。骨髄キメラ解析により、造血系miR-223が肝NE/PR3と線維化進展を制御することが示唆されました。
主要発見
- ヒトMASH/線維化肝でNE/PR3が著増し、組織学的所見と相関した。
- NE/PR3の遺伝子欠失またはAAV阻害により、マウスの脂肪性肝炎と線維化が軽減した。
- miR-223はSTAT3を標的として好中球のNE/PR3を抑制し、欠失で炎症・線維化が増悪した。
- 骨髄移植によるmiR-223キメラ化は肝NE/PR3量とMASH線維化の進行を修飾した。
臨床的意義
MASHに対する抗線維化戦略として、NE/PR3阻害薬やmiR-223シグナル増強の開発を支持します。NE/PR3のバイオマーカー化はリスク層別化にも有用となり得ます。
なぜ重要か
miR-223/STAT3制御下でMASH線維化を駆動する好中球プロテアーゼを特定し、NE/PR3という創薬可能標的をヒト—マウス横断で提示したためです。
限界
- 主に前臨床エビデンスであり、ヒト介入データが未提示。
- 食餌誘発モデルはMASLD/MASHの多様性を完全には再現しない可能性。
今後の方向性
NE/PR3阻害薬やmiR-223調節療法を臨床関連モデルおよび初期臨床試験で検証し、NE/PR3の活動性・治療反応性バイオマーカーとしての有用性を評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - ヒト観察データと動物実験を統合したトランスレーショナル研究(観察研究レベル)。
- 研究デザイン
- OTHER