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BMAL1の薬理学的標的化は概日および免疫経路を調節する

Nature chemical biology2025-03-26PubMed
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9

概要

BMAL1のPASBドメインに結合する選択的低分子CCMを提示し、BMAL1-CLOCK活性を調節して概日時計振動を変化させ、マクロファージの炎症・貪食経路を抑制した。構造・細胞データにより標的結合と機能変化を実証し、時計機構を介した免疫代謝治療の可能性を拓く。

主要発見

  • BMAL1のPASB空隙に結合し拡張させる低分子CCMを発見し、BMAL1の立体構造と機能を改変した。
  • 生化学・構造・細胞アッセイで高い選択的結合を検証し、BMAL1-CLOCK活性の制御を可能にした。
  • CCMはPER2-Lucの概日振動を用量依存的に変化させ、マクロファージの炎症・貪食経路を抑制した。

臨床的意義

前臨床段階だが、選択的BMAL1調節薬は炎症の抑制や代謝制御の改善につながる概日時計標的治療の青写真となる。また、時計依存的反応の層別化ツールとしても有用である。

なぜ重要か

BMAL1に直接結合する化学プローブを初めて妥当化し、時計機構と免疫経路の薬理学的制御を可能にした。代謝性・炎症性・概日関連疾患にまたがる新規治療戦略を促進し得る。

限界

  • マクロファージでの所見を個体生理に翻訳するためのin vivo有効性・安全性データがない。
  • BMAL1 PASBドメインに限定され、時計ネットワーク全体の影響や長期適応は未検証。

今後の方向性

CCMおよび類縁体のin vivo薬物動態・標的結合・炎症・代謝疾患モデルでの有効性を評価し、組織特異性や性差を伴う時計-免疫相互作用を解明する。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - in vivoデータを伴わない生化学・構造・細胞レベルの前臨床機序研究による証拠。
研究デザイン
OTHER