非栄養性甘味料が体格の異なる個人の脳内食欲調節に及ぼす影響
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
75名の若年成人を対象としたランダム化クロスオーバー試験で、スクラロースはショ糖と比較して血糖を上げずに視床下部血流と空腹反応を急性に増加させました。一方ショ糖は血糖上昇と視床下部内側の血流低下を伴い、スクラロースでは視床下部と動機づけ・体性感覚領域との機能的結合が強化されました。
主要発見
- スクラロースはショ糖に比べ、視床下部血流(P<0.018)と空腹反応(P<0.001)を増加。
- スクラロースは水に比べ視床下部血流を増加(P<0.019)したが、空腹感の評価は変化なし。
- ショ糖は末梢血糖を上昇させ、視床下部内側の血流低下と関連(P<0.007)。スクラロースでは認めず。
- スクラロースは視床下部と動機づけ・体性感覚関連領域との機能的結合を増強。
臨床的意義
非栄養性甘味料の使用に関するカウンセリングでは、特に肥満者で視床下部の食欲シグナルが急性に亢進する可能性を考慮すべきです。ガイドライン変更には慢性影響の検証が必要です。
なぜ重要か
広く消費される甘味料を視床下部活動・空腹シグナルの急性変化に直接結び付けた機序的RCTであり、食事指導や公衆衛生政策に示唆を与えます。
限界
- 急性単回曝露の研究であり、長期的な代謝・行動への影響は不明
- 若年成人が対象で、高齢者や併存症を有する集団への一般化に限界
今後の方向性
BMI層別で、スクラロース反復摂取の食欲、エネルギー摂取、体重、神経内分泌反応への影響を評価する長期ランダム化試験が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- I - 機序評価を伴うランダム化クロスオーバーの人体試験
- 研究デザイン
- OTHER